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真実性の原則・明瞭性の原則

真実性の原則

 企業会計の場合もそうですが、「真実性の原則」は、当然すぎるほど当然のことをいっているように聞こえます。しかし、当然すぎるほど当然に聞こえるこの言葉に、実は、多くの含意があります。

 一言でいえば、会計における「真実」とは何か、ということです。「会計における真実」とは、利害関係者に有用であり、同時に信頼の置ける会計報告を提供することであるといわれます。

 「何が利害関係者に有用であるか」は、時代とともに変化します。「信頼が置ける」といったところで、半永久的に続いていく活動を、一定期間に区切ってとらえるために生じる、将来への予見など、主観の介在を避けることはできません。

 会計は、そのように、本来、相対的・主観的でしかありえないにもかかわらず、同時に、「信頼しうる客観性」の要請に応えるものでもなければなりません。


明瞭性の原則

 一般に「明瞭性の原則」と呼ばれているこの包括的原則は、その内容を示すという意味では、「適切開示の原則」あるいは「公示の原則」と呼ぶのがふさ わしいといわれます。

 公開財務諸表は、記録計算の結果を報告するだけでなく、会計方針、つまり、結果を導きだす前提となった処理の仕方をも公開することを要求される、というのが、その内容です。

 会計は、もともと、記録された事実、会計慣習及び個人の判断のうえに成り立っているものであり、さらに、それらを適用する活動実体そのものも、多種多様ですから、処理の方法にも選択の余地が与えられなければなりません。1つのことについて、2つ以上の方法が認められている場合、何も書かれていなければ、その会計報告を見た者が判断を誤るおそれがあるわけです。どのような方法をとったかを明確にすることが、その判断を的確に行うために必要である、これが、「明瞭性の原則」の名称で呼ばれている原則の内容です。

 これらの要求を満たすために種々の方法が考えられていますが、最も重要とされているのは、次の原則です。このうち3番目の原則は、一般的には、特に重要な原則とされているわけではありませんが、NPO法人の財務諸表の作成にあたっては重要性が生じると考えられる内容をもっています。

(1) 区分表示の原則
 財務諸表を作成するにあたっては、単純に科目を羅列するのではなく、一定の基準に従って区分して表示しなければならない。

(2) 総額表示の原則
 企業の場合であれば費用と収益(NPO法人の場合は収支と支出ということになります)を相殺してはならない。いずれも、総額で表示しなければならない。資産および負債もそれぞれ総額で表示しなければならない。

(3) 重要事項の注記の原則
 財務諸表に項目として計上されてはいないが、判断に必要な事項がある場合には、財務諸表上の価額の意味、あるいは限界を明らかにするため、注記の形でそれを明らかにすること。



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